あめふら日記

入院5日目(術後1日目)

目が覚めたら、まだ回復室にいた。



動けないながらも清拭。サブパッドを腰の下に敷くため、はい腰上げてくださいできますかー?
ポータブルのレントゲン撮影。腰の下に板を入れるので、はい腰上げてくださいー。
お、思ったより痛くない……



午前中、大部屋に移る。
枕がまだ手術室バージョンの低いもので、「これ返してもいいですか?」と言われて驚いた。
でもその枕、なかなかいいんだけど。
「自分で押す鎮痛剤」が今日もついていたが、正直押しても痛みは引かない。
もしかして昨日は全身麻酔の影響でほとんど寝てたから堪えられたんだろうか。
で、今日も「痛みはどうですか」「痛いです」の応酬。
結局ただの点滴にちょっとした装置がつき、フェンタニル持続投与となった。



しばらくうつらうつらと眠っていて、ふと目を覚ましたが時間の感覚がない。
時計はテレビの上にあるものの、眼鏡もないので見えない。
眼鏡がどこにしまってあるのかも分からないし、分かっても体を動かせないから取れない。
困ったー。
思いきって同室の人々に声をかけてみる。


……あのう、今何時でしょうかー。


ついでに眼鏡も探して掛けさせてもらった。

ありがとうございました。
これで何だか気持ちが切り替わった。



午後の回診で、まずはベッドに座ってみるところから開始。
ドレーンが計3本出てるので難しい。
でもついでなので、看護師さんに支えてもらって立ってみる。
おーものすごいめまい。
そのまま2、3歩。
お腹が重い。
足が思ったように動かない。自分の体とは思えない。
立つ、歩くがこんなに大変なものとは思わなかった。
看護師さんは吸入の機械のところまで連れて行くつもりだったらしい。まじか。


結局吸入器を持ってきてもらってベッドに座って吸入をしたのだが、これで一気に覚醒スイッチが入った。
動きたい。
ひざの関節がむずがゆい。
足を動かしたくて仕方ない。
黙って座っていられない。
どうにも辛いので、看護師さんについてもらって廊下を散歩。
気が済んだわけではないが、若干は紛れた。
くれぐれも一人で歩かないようにと釘を刺されたが、やはり一日寝ているのにも限界があると痛感した。


しかし、寝返りを打つのも運動のうちなのでどんどん動けと言われたものの、ドレーンやら傷に響くので無理。
しかもベッドを完全にフラットにするとお腹が伸びるので痛い。
枕を使うとお腹に力が入るので痛い。
足を伸ばして寝るとお腹が伸びるので痛い。
人間はここまで腹筋に頼って生きているのだな。
ベッドの頭部を上げ、枕なしで寝るとする。



ちなみに開腹後の辛さは、下腹部を切る腸の手術よりも、上腹部を切る胃の手術の方が大変だと説明された。
むーしかし上腹部を切ったことがないので分からん。
ただ、腹筋運動をすると上腹部のほうが鍛えやすいのでなんとなくイメージは湧く。
しかし。

ほぼ体を固定したまま、フェンタニルの威力を借りて眠った。



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# by amefurashimodoki | 2011-07-29 16:41 | 第一回入院(低位前方術/外科) | Comments(0)

入院4日目 手術

530から術前の処置が始まった。


駄目押しの浣腸(これが一番つらかった)の後、スナップであらゆるところが外れるようになっている手術衣に着替え、血栓予防の弾性ストッキングを履く。
髪は手術用のキャップに収まるようにまとめる。
最後にT字帯を締め、ベッドに寝たまま移動。
酔いそう。
(この時足元に置かれたタオルケット状のものが電気毛布だったと後で知った。)


手術棟に入ると、室温がびっくりするくらい低い。
そのまま手術棟の看護師さんに引き渡され、枕と上掛けを換えられ、ごろごろと手術室まで運ばれた。



手術室。
更に下がる室温。そして予想外の狭さ。大音響のBGMは若手の邦楽(よくわからん)。
手術台の隣にベッドがつけられ、まずは自分で手術台の上に移動。
残念ながらつくづくと室内を観察する余裕はなかった。


酸素マスクつけますよー。深呼吸してくださーい。
心電図のモニターつけまーす。
足に圧かける機械つけますよー。
看護師さん2~3人で、一つ一つ確認されながら準備が進む。てきぱきてきぱき。


酸素マスクから臭いのするガスが。言われるままに吸い込むと、頭がだんだん重くなってくる。
左腕の点滴のところがぴりぴりしてくる。
そういえば点滴の麻酔薬は入れる時に痛みを感じる人もいると説明された。
ということは、麻酔が入ってるのかな?

はいじゃあ麻酔かけます。目が覚めたら終わってますよー。



……。



ふっと浮かび上がるように、目が覚めた。
ちくちくとお腹を縫ってる気がする?気のせい?あれ?
何だか手術台に大の字に伸びてる自分が見えたような気がした。
気のせいだ。きっと。
終わりましたよー。
声をかけられて目を開けた。


次に目が覚めたのは、手術棟の回復室。
傍らに先生と看護師さん。
左腕に点滴、手首にも大きなガーゼが巻いてある。
Aラインの止血だから、このガーゼはもう取ってもいいかな。って、Aラインて何だ?
気分どうですか?聞かれて答えようとして、声がほとんど出ない。麻酔のせいか、気管挿管のせいか。
(この後ほぼまる一日、この問いには「痛いです」のみ自動返信となった。)

鼻の管を抜かれた。朦朧とした意識の中でも、管が取れると楽だなぁと思う。

まるで何かにぐるぐる巻きにされたように身動きが取れず、ひたすら暑い。
(多分電気毛布でぐるぐる巻きにされてたんだと思われる。)


次に目が覚めたのは、病棟の回復室。

午後の回診か安静時間か何かを告げる放送が聞こえて、昼過ぎなんだ、と思う。

先生やら看護師さんやら両親やらが入れ代わり立ち代わり来て、気分はどうだとか痛みはどうだとか何度も何度も確認される(といっても、多分1時間置きとかに起こされていたんだと思う)。
話しかけて答えさせることで、呼吸を促して回復を早めるんだそうな。

左手にナースコールを固定されるも、思うように動けないので間違えて押してしまうこと多々。
痛いですと答え続けた結果、左手側に「自分でボタンを押して使う鎮痛剤」がセットされた。点滴ラインとつながってるので、痛みを感じたら押してくださいと。
が、このボタンが固くて押せない。ただでさえ体が動かないのに。
ということで、様子を見に来たあらゆる人にボタンを押してもらう、という情けない結果になった。



この日は一日中、熱と痛みで朦朧としていたのかもしれない。
向かいのベッドの人がひどくうなされていたり、隣のベッドの人が車椅子に乗るか乗らないかで看護師さんと押し問答をしていたりという記憶はあるので、目が覚めている時間はかなり頭がクリアだったんだと思うが。
とにかくもう、体が動かない、動かせないという、それだけ。
それでもポータブルのレントゲン撮影で、腰の下に板を入れるため腰を上げることはできたなぁ。
足に空気圧をかけて血流を促す機械が、一定のリズムで動いているわけじゃないのが印象的だった。



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# by amefurashimodoki | 2011-07-28 12:09 | 第一回入院(低位前方術/外科) | Comments(0)

入院3日目 手術室への道

本日も絶食。



予定。
手術部位の剃毛、シャワー、マグコロール。
夕方から手術についての説明。


点滴を止めてもらい、シャワーを浴びる。
点滴が入ってるところにぐるりとガーゼ+防水フィルムで保護してもらったが、結局汗をかいたか何かで点滴を固定しているところがかゆくて仕方なくなり。
せっかく一日経ってなじめるかと思っていた点滴と、再び険悪な雰囲気に。


マグコロールもあまり得意ではなく、相変わらず過剰に酸っぱい。
そして何が出るわけでもなく、水分を取りながら過ごす。
トリフローと吸入が生活のリズムを作っている。



昼過ぎ、ぼんやりしていたら手術棟の看護師さんが登場した。
明日の手術について、写真を見ながら流れを説明してくれる。
よろしくお願いします、ということで。



夕方、いよいよ手術の説明を受けた。
術式は、低位前方切除術。
臍の脇から臍下をざっくりと。
ただし、その後の化学療法に向け、回復の速さを考えた手術になるとのこと。
腸は空気に触れるといろいろなものにくっつきやすくなるため、合併症として腸閉塞の恐れはぬぐえないということ。
また、手術をする部位が骨盤の奥にあるため縫合不全が起きたり、腸内の細菌による感染症の可能性もあること。
そのため、術後しばらくはお腹からドレーンが1本出ることになるとのこと。ドレーンから排出される液を観察するらしい。
また、お腹の皮下脂肪は縫合してもくっつかず溶けてしまい、これが感染症の原因になったりするため、さらにあと2本ドレーンを入れて排出するとのこと。

聞いてるうちに、何だかくらくらしてきた。
ただしこれは絶食のためと思われるが……

手術は3~4時間程度で終了予定。
術後はまず手術棟の回復室で容体を確認し、その後病棟の回復室に移されるとのこと。
手術が終わり次第説明をするので、家族は手術中は待機していなくてはならないらしい。

あとは、術後できるだけ早く歩くこと。
歩くことで血流が促され、縫合した部分もくっつくし、腸も活動を始めるため。
痛み止めをどんどん使ってでも、とにかく起きて、立って、歩いてくださいねと何度も念を押された。

一緒に話を聞いた両親がどんどんへこんでいくのに対して、どんどん開き直っていく自分。
こういうのってへこんだもん勝ちだよね。
先にへこまれたら、それ以上へこみようがない。



看護師さんからは、手術セットの最終確認。
腹帯に記名をし、1枚預ける。マジックテープ式なので「あらこれ便利ね奥さんどこに売ってるの」的な会話に。
あとは、サブパッド(A3版くらいの大きさのおねしょシーツ的なもの?)を買っておいてくださいと言われた。売店で1枚50円なり。


寝る前に下剤2錠(フォルセニッド錠)を飲み、手術への不安にさいなまれることもなく、眠った。



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# by amefurashimodoki | 2011-07-27 21:45 | 第一回入院(低位前方術/外科) | Comments(0)

入院2日目 立派な病人への道

今日から手術に向けて絶食。



本日の予定。
まずはシャワーを使い、手術用の点滴を入れ、ニフレックで腸内洗浄。


あまり点滴の経験がなく、「点滴は先生に入れてもらいますから」とだけ言われてそんなもんだと思って待っていると、一式携えてぴちぴち音がしそうな研修医の先生登場。
昨日ナースステーションで看護師さんと間違えてしまった先生だ。
……ベテランの看護師さんじゃだめですか。
(手術用の太いやつなので先生じゃないと入れられないんだと、後で他の患者さんとのやりとりを聞いて知った。)

すっかりひるみ、きゅーきゅー言いながら左腕を預ける。
血管が細くて刺しにくいことを申告。献血で貧血になったことも申告。

寝た状態で入れますから、貧血になっても大丈夫ですよははは。
……ははははは。

刺している感触から、すごく長い針じゃないですかこれ。大丈夫なんですかこれ。血管たどりながら結構入ってますけどこれ。
何だかんだで無事に一回で成功し、最後に防水フィルムにたどたどしく日付を入れてもらって終了。
どうも左手を動かすと時間差で鈍痛があることが気になるが、まぁ異物が入ってるんだから痛くない方がおかしいでしょうよ、ということで気にしない。
これから長い付き合いになるので、できるだけ懐柔するよう努力しよう。



あとはひたすらニフレックを飲んで、トイレに通う。
ところがこのニフレック、味がない。
こないだ飲んだニフレックには甘味がついてたので「間違ったスポドリ」と思えば何とかなったのだが、どうやらあれは「ニフレック・改(レモン味)」であったらしい。
今回のニフレックは「改」ではないため、水ににがりを溶かしたような味。
そして、でかい点滴パックのような形のビニールのパックそのまま(ニフレックの作り方が書いてあった。全部で2リットルになるように溶くそうだ)で出てきたため、カップに注ぐことすら難易度が高い。
こりゃきつい。温くなっても冷蔵庫には入れられないし。


ということで、1時間で飲み切った。
看護師さんにほめられた。あり?
あとはひたすら内容物の排出に努める。
おかげさまでゆっくり昼寝もできました。


不思議なことに、黄色の水様便になった後しばらくすると、またたるーんとした便が出た。
これが腸内の分泌物か?



本来明朝であった麻酔科診察の予定が、今日の夜になったとのこと。
消灯前に先生登場。診察室ではなく、病室で簡単な診察と全身麻酔についての説明を受ける。
今回は酸素マスクからと点滴からの麻酔になるとのこと。
背中に刺すんじゃないかとどきどきしていたので安心。


今日から点滴台をお供に生活することとなり、立派な病人の仲間入りを果たした。
トイレが大変だ。



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# by amefurashimodoki | 2011-07-26 21:07 | 第一回入院(低位前方術/外科) | Comments(0)

入院1日目 いよいよ入院

さあ今日から入院です。



病室は大部屋(4人)になったが、結果的にこれは成功。
同じような症状・経過の先輩・同輩の患者さんがいるので、いろいろ勉強したり目安ができたり。
例えば「痛み止めを我慢して寝てるより、がんがん入れて動いた方が回復が早い」的な。
そしてやはり個室には個室じゃないと難しい患者さんが入っている模様。


病衣に着替え、ナースステーションで問診。
いよいよ病人だと実感。泣けてくる。


全身麻酔の開腹手術の場合、手術後の痰の排出をスムーズにするため、手術前~手術後しばらくは一日三回の吸入をしなくてはならないとのこと。
朝、ナースステーションで吸入器をもらい、その後朝・昼・晩とその都度吸入薬を入れてもらって吸入をする。
(これが入院生活を通して重要な生活習慣になる。)


あとは、これも全身麻酔に関して、深呼吸の練習「トリフロー」。
呼吸の勢いで筒に入ったボールを上下させる。見た目はまるっきりのおもちゃだが、やってみると意外と大変。
外科病棟ではあちこちからトリフローのぴょろろー的な音が聞こえてくる。


一日目はとりあえずこの他にすることもなく、吸入をし、トリフローの練習をし、ぼんやりしているうちに終わった。



2100消灯だが、何もやっていない上にこんな早い時間に寝る経験なんてないから目はらんらん。
そしていよいよの感に堪えず、なかなか眠ることができなかった。
たばだばと泣けて、仕方ないのでiPodのイヤホンを両耳に突っ込んで、眠れるまで待った。




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# by amefurashimodoki | 2011-07-25 20:42 | 第一回入院(低位前方術/外科) | Comments(0)
2011年、35歳で直腸がん+両肺転移が判明、ステージ4からのスタート。低位前方術、FOLFOX、FOLFIRI、UFT/LV、IRIS、Cet、肺切除、ロンサーフ、肺RFA。
by あめふら
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